ズワイ稚ガニ量産成功

vclub2010-05-25

ゾエア→4回の脱皮を経てメガロパ→その後1回脱皮して稚ガニへ変態。
解っちゃいるけど育たない。Orz

ズワイ稚ガニ量産成功、漁獲回復へ一歩 福井の研究施設

日本海を代表する冬の味覚・ズワイガニの漁獲を増やそうと、福井県にある研究施設が稚ガニの量産に成功した。深海に生息するため飼育が難しかったが、温度管理やえさの改良に工夫を重ね、3万匹超を生産する技術を確立。来年から5カ年計画で放流を進める。高級食材が身近になる夢に一歩近づいた。

 量産に成功したのは「水産総合研究センター・小浜栽培漁業センター」(福井県小浜市)。資源が減っているズワイガニの漁獲回復をめざし、水揚げされた雌ガニを使って、1984年から稚ガニを育てる研究に取り組んできた。

 ズワイガニは孵化(ふか)すると、ゾエアと呼ばれる幼生になり、脱皮を繰り返してメガロパ幼生に成長。水深200〜300メートルの深海へ移動し、2カ月余りで稚ガニに育つ。人工的に育てた稚ガニは足を広げると10センチほどの大きさで、漁場付近に放流すれば、カニの増産につながると期待される。しかし、水槽で孵化したカニはゾエアの段階で大量死してしまうのが課題だった。

 同センター技術開発員の山本岳男さん(31)は2006年から幼生の飼育方法を研究。本来の生息域に合わせ、ゾエアなら水温14度前後、メガロパは同8〜10度で飼育すると、生存率が飛躍的に高くなることを突き止めた。

 このほか、魚油に多く含まれる脂肪酸をえさに混ぜたり、水槽の海水を攪拌(かくはん)機でかき回したりして、自然に近い条件を再現する技術も開発した。その結果、08年には稚ガニ1万8千匹を生産し、09年には3万2千匹の量産に成功。他の国内外の実績を上回る世界記録で、安定的に稚ガニを育成することに成功した。同センターは「量産技術を確立できた」として、今後は放流に向けた準備を進める。

ただ、ズワイガニの生態はなお不明な点も多く、放流に適した大きさや水深、方法などを調べるという。山本さんは「稚ガニを深海へ安全に届ける方法の確立がかぎになる」と話す。

http://www.asahi.com/national/update/0525/OSK201005240149.html