東京事変「最期の生実演会」を史上最大級規模で同時生中継

2月14日の横浜アリーナから始まるアリーナ・ツアー<東京事変live tour 2012 Domestique Bon Voyage>をもって、解散することを発表した東京事変。その最終公演となる2月29日(水)日本武道館の模様が国内外の映画館で同時生中継されることが決定した。

日本全国107ヵ所の劇場に加え、香港、台湾、シンガポールのアジア各国でも上映が決定しており、ライヴの同時中継としては史上最大級の規模での開催となる。

“最期の生実演会”となる<東京事変live tour 2012 Domestique Bon Voyage>は、2月14日(火)、15日(水)横浜アリーナ、21日(火)、22日(水)大阪城ホール、28日(火)、29日(水)日本武道館の全6公演。開催が発表されると、全国から66万件を超える申し込みが殺到し、チケットは即日完売となっている。

飽くなき探求を続け、最高値で駆け抜けてきた5人の音楽家がたどり着いた最期のステージ。そのリアルな瞬間を、臨場感たっぷりの大スクリーンでぜひ体験してほしい。

なお、2月15日にはライヴ・ベスト・アルバム東京コレクション』、LIVE DVD&BD『Discovery』が同時リリースされる。

<ライブシネマ「東京事変 Live Tour2012 Domestique Bon Voyage」>
2月29日(水)19:00開演
※開場時間は各劇場で異なります。
場所:日本全国の映画館(全国107館)、アジア(香港、台湾、シンガポール)の映画館
チケット料金:3,500円(税込み)
購入方法
・ライブシネマ・プレリザーブ 2月11日(土)11:00〜2月22日(水)11:00
・一般発売 チケットぴあ   2月25日(土)10:00〜2月27日(月)24:00(Web販売のみ)
・各劇場販売 2月25日(土)0:00〜当日(各劇場Web販売、劇場窓口販売は各劇場の営業時間)
*チケットに関するお問い合わせ:チケットぴあ TEL:0570-02-9111

東京事変live tour 2012 Domestique Bon Voyage>
2月14日(火)、15日(水)横浜アリーナ
2月21日(火)、22日(水)大阪城ホール
2月28日(火)、29日(水)日本武道館
各公演開場/開演:開場 18:00 開演 19:00
チケット料金 8,888円(税込)※未就学児童の入場不可
http://www.kronekodow.com/

<EMI ROCKS 2012>
2月19日(日) さいたまスーパーアリーナ
開場 9:30/開演 11:00/終演 20:00(予定)
チケット
アリーナ:オールスタンディング(ブロック指定/整理番号付)
スタンド:指定席 ともに¥6,900(tax in)
【出演】(五十音順) 赤い公園ACIDMAN9mm Parabellum Bullet、清 竜人The SALOVERSJames Ihaストレイテナーthe telephones東京事変Base Ball Bear、雅 -MIYAVI-、吉井和哉×9mm Parabellum Bullet、 and more...
※追加出演アーティストの発表は、決まり次第随時行っていきます。
http://emirocks.com
◆チケット詳細&購入ページ

color bars
東京事変
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東京コレクション
東京事変
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Discovery [DVD]

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Discovery [Blu-ray]

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NEW ALBUM
『color bars』
2012年1月18日発売
TOCT-22311 ¥1,700(tax in)

LIVE BEST SELECTION ALBUM
東京コレクション
2012年2月15日発売
TOCT-28045 ¥2,800(tax in)
[初回生産分のみ] 紙ジャケット仕様
1. 三十二歳の別れ(新曲)
2. 禁じられた遊び
3. かつては男と女
4. キラーチューン
5. OSCA
6. ミラーボール
7. 復讐
8. ピノキオ
9. 閃光少女
10. 透明人間
11. 丸の内サディスティック
12. スーパースター
13. 群青日和
14. 夢のあと
※M1,2,3:“Discovery” 2012年12月7日 東京国際フォーラム
※M4,5:“ウルトラC”2010年5月12日 東京国際フォーラム
※M6:“SOCIETY OF CITIZENS”2008年8月24日 TOKYO DOME CITY HALL
※M7,8,9:“Spa & Treatment”2007年11月21日 Zepp Tokyo
※M10,11:“Just can't help it.”2006年5月26日 NHKホール
※M12,13,14:“Dynamite out”2005年2月9日 名古屋センチュリーホール

LIVE DVD&BD
『Discovery』
2012年2月15日発売
DVD:TOBF-5723 ¥4,200(tax in)
Blu-ray:TOXF-5723 ¥5,200(tax in)
[初回生産分のみ] スリーブケース仕様
1. 天国へようこそ
2. 空が鳴っている
3. 風に肖って行け
4. カーネーション
5. 海底に巣くう男
6. カリソメ乙女
7. 禁じられた遊び
8. 恐るべき大人達
9. かつては男と女
10. ハンサム過ぎて
11. 秘密
12. 某都民
13. ドーパミント!
14. 女の子は誰でも
15. 歌舞伎
16. ミラーボール
17. 能動的三分間
18. OSCA
19. 絶対値対相対値
20. 電波通信
21. 電気のない都市
22. 21世紀宇宙の子
23. 閃光少女
24. 今夜はから騒ぎ
25. 群青日和
26. 新しい文明開化

東京事変、最初で最後のオフィシャルブック
『チャンネルガイド -東京事変オフィシャルブック-』
2012年2月29日発売
190ページ
定価:本体¥3,810+税
・本書独占。メンバーそれぞれが“解散”の胸中を語った『ラストロングインタビュー』
・迫力のライヴフォトはもちろん、バックステージや移動風景などオフショットも満載。120枚に及ぶ写真で最後の全国ホールツアーを追った『DOCUMENT:LIVE TOUR 2011 DISCOVERY』。
・本邦初公開! ツアー、ビジュアル、ビデオ、レコーディング、セールスプロモーションといった事変のクリエイティヴを形成したスタッフインタビューによる『東京事変の作り方』
・PV『今夜はから騒ぎ』メイキングショット 撮影・刄田綴色
・男性メンバーの女装/椎名林檎の男装による、撮り下ろし美麗フォトセッション ……etc.
※2月29日の書店/ネット等での発売に先駆けて2月14日からのラストツアー[東京事変 live tour 2012“Domestique Bon Voyage”]の会場にて、先行販売を行います。
詳細は公式サイト「SR猫柳本線」にて随時お知らせしていきます。

東京事変、全国ツアー新たに国際フォーラム2DAYS追加

おっ!

東京事変、全国ツアー新たに国際フォーラム2DAYS追加

9月下旬からスタートする東京事変の全国ツアー「東京事変 Live Tour 2011 Discovery」の追加公演が決定。新たに12月6日・7日の東京・東京国際フォーラムホールA公演の開催が発表された。

東京事変 Live Tour 2011 Discovery」は、9月30日の東京・府中の森芸術劇場からスタート。追加公演の発表により全24公演が実施されることになった。追加公演分チケットは、一般発売に先駆けて9月21日にDVDとBlu-rayでリリースされるPV集「CS Channel」初回プレス分購入者を対象とした先行予約が行われる。

また「CS Channel」に収録される新曲「ハンサム過ぎて」のPVが完成し、本日8月31日よりオフィシャルサイトにて一部視聴がスタート。このPVの監督は、事変の作品ではおなじみの児玉裕一が担当している。

さらに「ハンサム過ぎて」の着うた、着うたフル、着ムービー、PC配信も、本日より各主要サイトにて順次開始される。9月5日には「CS Channel」特設ページがレーベルオフィシャルサイト内に開設予定なので、こちらもお楽しみに。

東京事変 Live Tour 2011 Discovery」追加公演

2011年12月6日(火)東京都 東京国際フォーラムホールA
2011年12月7日(水)東京都 東京国際フォーラムホールA

http://natalie.mu/music/news/55752

東京事変「大発見」インタビュー

長文につき保存。w

東京事変「大発見」インタビュー

いよいよリリースとなった東京事変ニューアルバム「大発見」。ここで、メンバー全員による「大発見」インタビューをご覧に入れましょう。大必見。

[タイトルの誕生]
――かなり独特なアルバムタイトルとなった『大発見』ですが、まずはその由来からお聞かせ下さい。
椎名 はい。そもそもは去年の6月、「ドーパミント!」のプリプロ(※本番のレコーディング前に、曲構成やアレンジ、キーなどの確認をする作業)でスタジオに入っていた時、休憩時間の他愛も無い会話から、『“DJ大自然”ってズルいネーミングだよね?』と始まって(笑)。やっぱり“椎名林檎”としましてはネーミングセンスにおいて“吉田戦車”さんに対して抱くのと同じくらいのライバル心を感じます(笑)。では、どうすれば負けないのかと考えてみたら、“大”を付ければいいんじゃないかという話になって。正直『スポーツ』とそのツアー『ウルトラC』で、私たちはすごく頑張ったと思っていたんです。ですから、次のアルバムは自分たちへのご褒美として“大”くらい付けてもいいんじゃないかという気持ちがどこかであったんでしょうね。
刄田 それで皆でいろいろ出し合ったんだよね。大草原とか大平原とか。
椎名 “大スキ”とか、設定を根底から覆すものまで出して(笑)。
亀田 そこから一度はチャネル縛りを忘れて、“大”が付くタイトルを出し合おうっていうことになったんですけど、でも『大発見』ならディスカバリー・チャンネルに繋がると椎名さんが思い付いて。
椎名 私はもう、「『大発見』、これだ!」という確信を抱いて、その日は満足気に帰宅しました。その後はメンバーへのメールで、「私は『大発見』がいいと思うけど、他に良いものがあれば是非とも」なんて書いて、みんなへの啓蒙というか洗脳に奔走し始めました(笑)。

[『スポーツ』と『ウルトラC』の収穫]
――前作『スポーツ』とそのツアー『ウルトラC』は、東京事変にとって非常に大きな転機となったアルバムでありツアーとなりました。この点についてはこれまでもいくつかのメディアで語られてきましたが、いまあらためて考えると、その収穫とはどのようなものだったと思いますか?
椎名 まさに筋肉ではないでしょうか。躍動というか、お客さんとの対話における運動性を学びました。「どこまで(お客さんに)近づけるのか」という。それは客観的に言えば“演出”っていう一言で括られがちなのでしょうが、私は照明から映像、選曲まですべてが一体になってこそ“事変のライブ”だと思っていて、『ウルトラC』はまさにその前提における、一番高い難易度のチャレンジであったわけです。
浮雲 ツアー序盤の頃、新潟とかではスライドを使った“ご当地コーナー”を用意したりしていたけど、千秋楽に向かうにつれて、MCをほとんど排除していって。
亀田 そう。その分曲を増やしたり、みんなで話し合ってどんどんと研ぎ澄ましていった。
椎名 不安もありましたよ。だってせっかく日頃私たちの音楽を聴いていただいて、やっと会場でお会い出来たお客さん達なのに、ほとんど会話もなく、演奏に徹してしまって大丈夫なのかなと。でもそれはこちらの大きな奢りだったというか、お客さんは「ナメんなよ」っていうぐらいのパワーで私たちを迎えてくれました。危うくこちらが恥をかくところでした。おかげさまで事変史上、スタートから最も早い段階で、高得点な仕上がりまで持って行けたツアーになったと思います。
――お客さんがバンドのキャラクターを決定付けてくれるという好例ですね。
椎名 まさにそうでした。ショーを、研究であり勉強させていただいた、とても贅沢な機会でしたね。
浮雲 ライブの進行という意味において、俺は割と受け身のスタンスなんですけど、その分対応能力がかなり上がったと思います。場がどんな展開になっても対応出来るようになったというか。
伊澤 プレーヤーとしての持久力が付いたよね。あとは自分自身の神経質な部分が解き放たれた感じもあった。このバンドとスタッフと一緒なんだから、あとは心配しなくても現場に委ねれば大丈夫だっていう。
刄田 筋肉と共に数式のようなものも学んだ気がする。体験学習(笑)。たとえばジムで鍛えられるものとは違う、数式の絡んだ音楽的な筋肉というか。
亀田 心身共に高いハードルを設定して、且つそこに向かって音楽性の全てを出し切るというチャレンジをしたので、それ相応の苦労もあったけど、その分バンドとしての“絆”は確実に深まりました。で、普通ツアー後というのはブレイク期間があってもおかしくないんですが、幸運にもドラマとCMのお話をいただけたので、すぐに「天国へようこそ」と「ドーパミント!」のレコーディングに突入したわけです。
椎名 ドラマとCMそれぞれのお話をいただいたのがツアー中だったこともあって、メンバーの顔を見ながらすぐに曲のイメージが出来たし、「ウルトラC」の直後に録ったことは、この二曲の仕上がりに影響を与えたと思います。「ウルトラC」からレコーディングまでに間が空いていたら、それはそれでまったく異なる完成形になっていたんじゃないかな。

[オーダーから派生した“スタンダード” ]
――「天国へようこそ」と「ドーパミント!」は、『大発見』では新録バージョンが収録されています。この二曲はそれぞれTVドラマの主題歌とCMタイアップ曲となり、昨年配信でリリースされました。
椎名 制作の動機自体はドラマやCMのお話をいただいたことで発生したものでした。今回のアルバム収録にあたっては、よりアルバム寄りのアレンジにしたいと考えました。特に「ドーパミント!」は最初に伊澤が持ってきたアレンジに近い形になりましたよね。
――この2曲と、やはりCMで使用されたシングル「女の子は誰でも」、「空が鳴っている」の歌詞は、これまで他のアーティストにも多くの楽曲提供を行ってきた椎名さんの“作家性”が際立っています。椎名さんが“作家・椎名林檎”を東京事変のなかで全開放させることが出来る。この状況は大変好ましいと思うのですが。
椎名 これまでは私が勝手に制限をかけていたのかもしれません。だから結果的に今回、三木聡監督(※映画監督。 TVドラマ『熱海の捜査官』を手掛けた)から頂戴した「あえて事変でスタンダードをやってほしい」というピンポイントなオーダーは、その制限を外すきっかけになってくれました。
――つまり監督が、今回のアルバムのキーワードのひとつでもある“スタンダード感”のヒントをくれた。
椎名 本当にそうです。自信に繋がったし、背中を押していただきました。これはCMについても同じです。とても光栄だし、有り難かったです。

[まず自分自身が“発見”するものを]
――タイトルが『大発見』となり、おぼろげに見えてきた“スタンダード”、“プリミティブ”、“バック・トゥ・ルーツ”といったキーワードの下、各自楽曲を持ち寄った。収録への選考基準はどのようなものでしたか。
椎名 厳しいものでしたね。“発見”に“大”まで付けてしまったので、まず選考にかける以前に、自分自身がハッとする、つまりは“発見”する曲でなくてはならない。以前に書いたストックからの再プレゼンだとしたら、よほどの前提か自信がなければならない。自分のことなのにビックリしてからじゃないと出せないわけですからね(笑)。
刄田 全部で30曲ぐらい出揃ったよね。
亀田 そう。提出して2、3日経ってから、「ああ、やっぱり『大発見』じゃなくて『中発見』だった!」と、トボトボ悩んで帰ってみたり(笑)。かなり試行錯誤がありましたね。
椎名 そう、そこで亀田さんが引っ込めようとしていた曲を、「ちょっと待って」と伊澤が引き取ってBメロと印象的なリフを書いたのが「21世紀宇宙の子」でした。伊澤は伊澤で持ち込んでくれる楽曲の数も多いけど引っ込めたがる数も多くて(笑)。「これ、何か、やっぱ無いわ」とか言ってね。
亀田 そうそう! 六時間くらい(演奏を)合わせてみんなノッてきたと思ったら「あー、やっぱ無いわこれ、駄曲だわ」って。みんな「えーっ!!」って(笑)。
浮雲 下手するとレコーディングの段階でも言っていた(笑)。
伊澤 うん(苦笑)。そうすると椎名さんが「じゃあこれ私が引き取る」って言って持って帰ってくれてね。
――「21世紀宇宙の子」はストックのなかから、マスタリング直前で急遽収録が決まった楽曲でしたね。
椎名 本当は震災後に、「夜明けのうた」に値する曲として歌詞を書き上げたかったんですが、なかなか仕上げることができなかった曲でした。でもアルバム制作も佳境に入り、すべての曲を順番に並べて通して聴いてみたら、足らないピースがこの楽曲だと思えたので、追加することを決めました。
――伊澤さんは今回鍵盤ではなく、ほとんどの曲をギターで作ったんですよね?
伊澤 はい。そうすることで“発見”をしたいなと思ったので。
椎名 たとえば「絶対値対相対値」では、伊澤が書いてきた曲が『私っぽい』と言ったら何ですけど、すごく私側に寄せてくれた曲だと感じたので、そこからどう飛距離を付けようかと私が手を加えてみて。
浮雲 ギターソロのために空けておいた小節に歌を加えたりしてね。
椎名 そう。元々の素材に対して、音楽的な意味で逆説的な要素を加えてみて。今回の現場で驚いたのは、そういった未だ見ぬ音楽面でのやり取りが、口頭だけで可能になっていたことでした。
――メンバー間のコミュニケーションの状態を象徴するようなエピソードですね。
浮雲 椎名さんが歌レベルというかボーカルの面から変えていったものもあったよね。
椎名 「新しい文明開化」も伊澤が「ポップスとして違う気がする」って引っ込めちゃいそうだった曲を、楽器のアプローチはそのままの状態で、「ここは私にまかせて!」と引き取って完成した曲でした。
伊澤 そういう時の椎名さんは本当にすごくて、俺がどれだけ考えても到達しない、まさにピッタリの答えをスッと持ってくるんです。「禁じられた遊び」もそう。俺がずっと、それこそレコーディングの当日まで悩んでいた曲だったんだけど、最後は唄入れ中に椎名さんが歌詞と同時に大サビのメロディラインを作ってくれて、目の前がパーッと明るくなった。
椎名 私は曲を書いた人の、言わば筆致で言うところの“止め”“や“跳ね”には、できるだけ手を加えたくないというルールを持っています。だから歌で流れが見えるのならばそれが一番理想的だと思って。
浮雲 椎名さん、そういう時の殺し文句があったよね。
椎名 何でしたっけ? そんなつもりはありませんでしたけど、確かに「必ずキラー・チューンにしてみせる」みたいな宣言は何度かしましたよね。
――「海底に巣食う男」は浮雲作詞/曲、「かつては男と女」は、椎名作詞/浮雲作曲ですね。
浮雲 「かつては男と女」は書き下ろしで、「海底に巣食う男」は7、8年前に書いた曲ですが、椎名さんが前から気に入ってくれていた曲でした。
――「海底に巣食う男」はグラムロック的なグリッター感のある曲で、事変にはめずらしい楽曲ですね。
浮雲 それを椎名さんが歌うことでちょっとチャーミングな曲になっているのが面白い。
亀田 浮ちゃんのデモテープはコーラスまで入っているので、全体の輪郭が掴み易くて、すぐに完成形がハッキリと見えましたね。
――「恐るべき大人達」は作曲が亀田/椎名の共作というめずらしいクレジットですね。
椎名 師匠の曲に交ぜていただいたのは初めてのことです。「空が鳴っている」や「21世紀宇宙の子」とはまた違う方法で、これまでの事変にはなかった印象の曲にしたいと思いました。
亀田 アレンジは僕が作った形のままで、椎名さんが歌メロを変えることで大発見が生まれているんです。僕が最初に考えたAメロは浮ちゃんのギターリフになっている。
浮雲 そこもまた共作感があって。だからたとえばクレジット上では椎名さんと誰かという表記になっているけど、今回はすべての曲に事変全員としての共作感がある。
亀田 おそらく僕らの“共作”は俗に言うそれとはちょっと種類が違うんでしょうね。作家側としては一度自己完結したものにみんなで手を加えることで、さらに美味しい完成形にしていくというスタイルだから。それぞれが自分の曲を誰かに委ねることでどうなるのかが楽しみで、むしろ率先して預けたかった。そこに何の壁もなかったですね。
椎名 よかった。うれしい。私ちょっと心配していましたから(笑)。
――だから『娯楽』ようにメンバー各々が作家となるという“ルール”が存在していたわけではなく、制作の自然な成り行きと結果で、こうした共作の多いクレジットにたどり付いた点は大変興味深いですよね。
亀田 そう。それこそすべての曲を『大発見』にするために、全員の持っている力を総動員した。で、気がついたら結果として共作が多かった。まさにそういうことですね。
浮雲 初めてだったね。すごく気持ちよかったと思う。
椎名 だから今回はめずらしくストックがいっぱいあるんですけど、惜しくもアルバムには入らなかった曲も、入った曲をディレクションしてくれた感じが大きかったですね。もちろん入らなかった曲もクオリティ云々は何の問題もないので、賞味期限問題さえクリアすれば、皆様にお披露目できる機会も来るかもしれません。

[明るく合理的なレコーディング]
――今回のレコーディングはとても明るい空気のなかで進んだようですね。
椎名 はい。ただツアーで勢いがついてしまっていたのか、ちょっと勢いが過ぎるというか、時折デビューして間もない若手バンドみたいなアプローチになったりして(笑)。そういうのは何度か軌道修正しましたね。
――一曲目「天国へようこそ For The Disc」におけるアフログラマーとも言えるプリミティブなビートを、刄田さんはドラムではなく箱を用いて奏でているんですよね?
刄田 そう。大きな箱を左足で蹴って、ツーバスを右足で踏んでいる。かなり特殊なセットですね。
椎名 私と伊澤は木の板をシコみたいに踏んで音を出しています。タップダンサーの熊谷和徳さんに問い合わせをして、適した板を教えていただいたんです。
――事変のスタジオワークではかなりレアなシーンだと思います(笑)。
亀田 仕上がりの音は関わった人数以上の迫力が出ていますよね。
刄田 それと何より今回はプリプロからプロ・ツールス(※現在制作現場で最も汎用的に利用されているクリエイション/プロダクション・システム)を使ったのがとても大きかった。
亀田 そう、今回はプロ・ツールスを使って、毎回それぞれのパートのアレンジを、本番のレコーディングと同クオリティの音像で持ち帰ることが出来た。これはものすごく贅沢なことなんですが、そのおかげで自分のプレイであり、楽曲の全体像を十二分に把握することが出来ました。スタジオの回数を重ねる毎に、より多くの要素を持ち込み、積み上げることが可能となったんです。
椎名 それに比べたら『スポーツ』の時は、緻密なことをやろうとしているくせに、見切り発車というか、“だろう運転”でしたよね。「多分これこれこう“だろう”」っていう(笑)。その分の時間的なロスもあったし。
亀田 そうそう、割り込み運転もあったりしてね(笑)。だから去年は途中に別の仕事があったり震災も挟んだりしたので、制作期間こそ長かったように見えますけど、実際に制作をしている時間はこれまでと比べてそれほど長いわけじゃない。むしろ一回一回の作業はこれまで以上に濃縮されたものでした。
浮雲 実験が手軽に出来るのもよかったね。「これをこうしたらどうなるの?」とか、「このテンポをこうしたらどうなるか?」という試みに、すぐ取り組んで早々に答えを見出すことができた。自宅でひとり、宅録で試すようなことを全員ですぐに試すことができるのも素晴らしかった。
椎名 だからスピードも上がりましたね。その分各々言い訳が許されないわけですから。そもそも事変は午後1時にスタジオ集合したら6時には作業を終了させるバンドなんです。だいたい1日5時間程度。誰かが眠くなったり、お腹が空いたら終わり(笑)。生理に逆らっても、あまりいい結果が生まれないんですよ。
亀田 昼夜を問わずとか、夜を徹してとか、そういうことはまったくない。そういえば今回の現場って一度も晩ごはんの出前を取らなかったんだね? いま気がついたよ!(笑)

[新たな段階を迎えた作詞]
――楽曲が出揃うと、椎名さんは作詞に取り組みました。事変はいつも曲先行で、後から椎名さんが歌詞をあてていく。毎回この行程だけは独りぼっちの葛藤となるわけですが、今回はいかがでしたか?
椎名 それこそ初めは、「そこ(=作詞)も『スポーツ』の時にがっちり鍛えた筋肉だったよね?」と言い聞かせて取り組んだのですが、やはり苦しみました。そもそも『スポーツ』の時はみんなが書いてきた曲のなかで、どういう言葉が鳴っているのか、それを力づくで拾いに行った感じでした。だけど今回は、曲が“何処で”鳴るかを探る作業になったという印象です。
――“場所”……ですか?
椎名 何だかもう快楽的に歌詞を当てはめるのも違う気がしてしまったんです。ライミング等などにとらわれた途端、その日はもう絶対に書けなくなった。
――「電気のない都市」はタイトル/歌詞共に、先の3.11東日本大震災以降の情景を想起させます。
椎名 これは伊澤の書いた曲です。いい曲ですけれど、私は震災前も後も関係なく、長らくこの曲の正体が上手く掴み切れなかったんです。震災後、計画停電が行われた日、さいたま新都心の、スーパーアリーナを含むその周辺の灯りがすべて消えてしまっている光景を見たら、急にあのイントロのピアノが聴こえてきた。それは繰り返しではなく、たった一度切りの、“鳴った”切りの音楽だとすぐに分かりましたので、逃さず形にしなければと思いました。
伊澤 いま話を聞いていて鳥肌が立った……。
椎名 でもそれこそフロアで鳴ってほしかったらタイトルに“DISCO”って付けるとか、世間の、日頃私がカッコいいなって思っているアーティストの方々は、皆さん当たり前のようにやってこられていることなのに。「私ってば、気付くの遅いよ」と思いましたけど、今回は「何処で鳴っている曲か」を考えるというきっかけで作詞していったのが面白かった。私にとってはひとつの発見となりましたね。
――『大発見』の曲タイトルには学問と遊戯。自然と文明。男と女。大人と子供、過去と未来。そして陸(都市)海空に風と、その上の天国まである。つまりはまさにリスナーが過ごす日々の営みのなかで、そのあらゆる場面において“なる”アルバムであってほしい。そんな願いが込められたアルバムなのですね。
椎名 何て素晴らしいマトメ……。
伊澤 ここは全員の発言として「大正解!!」って書いてほしい。
椎名 生きる上で当然の営みとして、事変のこれまでの研究の成果も、すべて詰め込まれて欲しいと願っていましたから。無論それはこれまでのアルバムもそうだったし、欲だけが一人歩きしても良くないなっていう戒めを持ちつつではありましたけど。

[LIVE TOUR 2011 DISCOVERYに向けて]
――リリースから約2カ月を空けて、9月からはいよいよ全国ツアーが始まります。
亀田 ちょうどこのインタビューの直前も、男性メンバーはそれについて話していました。「ツアー、早くやりたいよね」って。
刄田 『大発見』を作り終えて、今回もいろいろとすごいアルバムなのに、みんなで話し合うと「すぐやれるよね」っていう感じなんです。『スポーツ』の時みたいに「どうしよう?」は、出て来ない。早くライブがやりたくて仕方がないですね。
椎名 私は何て言うか……もちろん早く皆さんの前で直接届けたいという気持ちはあるんですけど、どこか寂しい気持ちもあって。完成までのみんなとのやり取りや、いくつもの想いがすべて尊く、愛おしくて、まるで宝箱みたいなアルバムに思えて。すべてを閉じ込めたまま開きたくないという気持ちもあって。
浮雲 それ何か分かる。すっごく聴いてほしいんだけれど、究極的に言えばリリースしたくないような。
椎名 本当にそう。相反する気持ち。自分が手掛けた作品はすべてが“とっておき”なんですけど、「じゃあ百歩譲って『スポーツ』のクレームは聞いてもいい。でも『大発見』は、これだけはちょっと……お願い、ヤメてね?」っていう感じなんです。
伊澤 俺にとっても宝物ですね。椎名さんと同じで、聴いてほしい/ほしくない、知ってほしい/ほしくないみたいな、自分でも驚くほどピュアな感情の行き来がまだ絶え間なく続いている状態です(笑)。
亀田 このアルバムには去年から今年の、それこそ震災前後も含めた濃密な時間が詰まっている。だからこそツアーでは、『大発見』をリリースする6/29から9月までの間で、もっと自分自身を更新して、このアルバムの曲を皆さんの前で演奏出来る新しい自分で在りたいと思っています。
浮雲 俺もそういう心構えで向かいたい。まずは部屋の掃除から頑張ります(笑)。あとは急かされないで演奏したいな。構成とか進行とかではなく、自分の気構えとして、追われるような演奏はしたくない。たとえBPMの速い曲でも、それこそかけがえのない曲だからこそ、噛み締めるように弾きたいですね。
刄田 体力だけを準備できていれば、あとは出たとこ勝負。それで絶対いいライブになるに決まっている。それだけのアルバムになりましたからね。
椎名 5人の誰もが自己顕示欲を先に立たせることなく、ピュアな制作時間を共有することが出来たアルバムでした。こんな感情をアルバムに抱くのは本当に初めて。いまは満たされ、幸せです。

(内田正樹)

http://www.kronekodow.com/gaiko/daihakken_interview.html

東京事変媒体露出情報

メモメモ…〆(。。)

東京事変媒体露出情報

ニューアルバム「大発見」のリリースを6月29日(水)に控え、東京事変がさまざまな媒体に登場いたします。4月以降のこれまでの露出情報も含め、まとめてご覧に入れます。

■雑誌
6/15(水) 「MUSICA」  →表紙と巻頭特集。国立科学博物館で敢行されたメンバー全員での撮り下ろし写真は必見。椎名単独、男性メンバー4人のそれぞれのインタビュー
6/10(金) 「Keyboard Magazine」  →ピアノバーでの伊澤と椎名による表紙。伊澤×椎名、伊澤×亀田の対談2本立て。伊澤によるアルバム全曲解説もあり
5/20(金) 「SWITCH」  →表紙とともに事変メンバー全員による“大発見”な撮り下ろし写真、全員個別インタビューなど
4/30(土) 「ROCKIN'ON JAPAN」  →表紙と撮り下ろし写真。椎名と亀田のインタビュー

■テレビ
【地上波】
5/20(金) 「ミュージック・ステーション」テレビ朝日系 20:00〜※椎名のみ出演

■ラジオ
5/21(土) J-WAVE SPECIAL 「J-WAVE ×SWITCHミュージック・ドキュメント・プロジェクト Part.1 林檎の夜〜東京事変椎名林檎を迎えて」24:00〜25:00
5/14(土) TOKYO FM 「McDonald’s SOUND IN MY LIFE」 14:00〜15:00
5/12(木) TOKYO FMSCHOOL OF LOCK!〜Perfume LOCKS!〜」23:05〜
5/8(日) J-WAVE 「McDonald's TOKIO HOT 100」 13:00-16:54

http://www.kronekodow.com/gaiko/media_110606.html

魚たちのマンション

ジープ島だぉ!

魚たちのマンション!?
エダサンゴを隠れ家にするクマノミナンヨウハギ

ダイビングをやると耳にする「クマノミ城」。これはクマノミが群生しているエダサンゴのことで、そこに群がるクマノミの数は本当に数えきれないほどで、魚たちのマンションといえる。今回はミクロネシア連邦ジープ島の「クマノミ城」をご紹介!

エダサンゴという枝状のサンゴがある。枝状なため入り組んでいて、魚たちが身を隠すにはちょうど良い形状をしている。

しかしこのエダサンゴを住み家にしている魚は決してクマノミだけではない。映画のキャラクターになってドリーの愛称で親しまれているナンヨウハギや、青いスズメダイなどがいる。特に種類を問わず幼魚、つまり魚の赤ちゃんにとってはこのエダサンゴのなかで生活するというのは重要になる。サンゴは外敵から身を守ってくれるのだから。

なので魚たちはダイバーや外敵が近寄ろうとすると、いっせいに入り組んだエダサンゴのなかに隠れてしまう。でもその隠れるところの様子が実に臆病な雰囲気をかもしだしていてかわいい。こっちがエダサンゴから少し離れるとまたいっせいに大勢の魚たちが出てくる。また近づくと隠れる。その繰り返し。

それにエダサンゴとクマノミなど組み合わせによる色のコントラストは見ていてもきれい。もちろんナンヨウハギスズメダイとの組み合わせもきれい。

青という単調な海の色を覆してくれるこのマンションの画は、海の色の奥深さを感じることもできる。やっぱりこういうカラフルな世界を見ているとどことなく心もホッとしますね。

http://woman.excite.co.jp/topics/culture/rid_29349/