巨大クラゲに乗って長旅 珍種のエビ、撮影に成功

vclub2006-01-25

巨大クラゲに乗って長旅 珍種のエビ、撮影に成功

エチゼンクラゲにしがみついて暮らすエビ=富山湾で昨年11月、楚山勇さん撮影

巨大なエチゼンクラゲの触手などにしがみついて、大海原を旅する珍種のエビを、水中生物写真家の楚山(そやま)勇さん(神奈川県藤沢市在住)が、富山湾で撮影した。エチゼンクラゲは漁業に被害を与える嫌われ者だが、エビにとっては身を守ってくれる頼もしい存在のようだ。

 国立科学博物館の武田正倫・動物研究部長(甲殻類学)が調べたところ、本来はインドネシアなどの暖かい海にすむクラゲモエビと分かった。

 全長は3センチほど。傘の直径が1メートルを超すエチゼンクラゲに比べてあまりに小さく、体色もクラゲそっくりの赤褐色なので目立たない。海中での生態をとらえた写真は珍しい。

 このエビは、クラゲの体の表面に付着した有機物を食べて暮らしている。1匹のエチゼンクラゲに100匹以上のクラゲモエビがすむこともあるという。クラゲの触手には毒があり、エビにとっては、魚などの捕食者から身を守るのに役立っているらしい。
http://www.asahi.com/national/update/0125/OSK200601250054.html