ニコン、銀塩カメラ事業から撤退

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ニコンフィルムカメラ事業を縮小・デジカメに集中

ニコンは11日、フィルムカメラ事業を縮小すると発表した。デジタルカメラ経営資源を集中する。フィルムカメラ本体、マニュアルフォーカス交換レンズ、アクセサリーは一部モデルを除いて生産を中止し、在庫がなくなり次第販売を終了する。中古市場での流通は残るものの、業界大手のニコンがフィルム一眼レフ事業から事実上撤退する方向へ動き出したことで、銀塩一眼レフ愛好家のデジタル一眼レフ移行が加速しそうだ。

 生産を続けるのは、35ミリ一眼レフはフラッグシップ機「F6」と入門機「FM10」の2機種、マニュアルフォーカス交換レンズは「AI ニッコール」の20mm F2.8S、24mm F2.8S、28mm F2.8S、35mm F1.4S、50mm F1.2S、50mm F1.4S、「AI マイクロニッコール」の55mm F2.8S、105mm F2.8Sと「PC マイクロニッコール 85mm F2.8D」の9種のみ。大判カメラ用レンズ、引き伸ばし用レンズも生産を打ち切る。

 同社の2005年3月期の出荷台数は、デジタル一眼レフが105万台、コンパクトデジカメが556万台だった。これに対し、銀塩一眼レフは24万台、銀塩コンパクトは5万台と少ない。2006年3月期には、銀塩一眼レフは14万台に落ち込み、デジタル一眼レフは160万台に膨らむ見通しだ。

 CIPA(カメラ映像機器工業会)がまとめた昨年1月から11月の国内全体の出荷台数累計は、フィルムカメラが前年比49.2%減の28万5344台と大幅に落ち込み、デジカメは前年比1.1%減の757万3630台と横ばいだ。ただ、レンズ交換式デジタル一眼レフは、前年比52.3%増の50万513台と需要が拡大している。

http://it.nikkei.co.jp/pc/news/index.aspx?i=20060111da008da