増えるマウス症候群

メモメモ! (^^;

手首の痛みや、しぶとい肩こりの意外な原因は−。パソコンを頻繁に使う人に「マウス症候群」が広がっている。マウスを長時間使用することによる不自然な姿勢が体調不良を生むことをいい、患者数は増加中だ。第一人者として治療に取り組んでいる「KIZUカイロプラクティック」(東京都中央区)の木津直昭院長に、現状と効果的な対処法を聞いた。

◆◆◆ 全身の不調にも
マウス症候群は「マウス腱鞘(けんしょう)炎」とも呼ばれている。マウスの長時間の使用で、(1)手首の痛み(2)肩の痛み(3)握力の低下(4)腕全体の違和感−などの症状を感じるようになることをいう。

KIZUカイロプラクティックにはここ数年、IT業界を中心にパソコンをよく使う人からの相談が相次いでいる。「件数は増加の一途。はしがもてなくなるまで悪化する人もいる」と、木津院長は驚く。

マウスの長時間使用の一番大きな弊害は、右手が不自然に固定されて、ほとんど動かないことだ。右肩が前に出た状態で動かないため、右手全体の血行が悪くなり、しびれや違和感を生じるようになる。また座った状態で右手を使い続けることで「体が左側に傾くボディースリップという現象が起きて、バランスが悪くなり、背骨にダメージを与える」(木津院長)という。

これに追い打ちを掛けるのが、左肩に受話器をはさむ姿勢だ。木津院長はこの態勢を“最悪セット”と呼んでいる。「機能的だと思ってやっているスタイルだが、骨盤、背骨が大きくゆがむことになる」と警鐘を鳴らす。不安な場合は、チェックリストで確認することを勧めている。

◆◆◆ 無理やり休憩を

木津直昭院長
現代オフィス特有の症状といえるマウス症候群だが、症状緩和のまず第1はやはり頻繁な休憩だという。「パソコンの前で作業をしていると5時間、6時間座りっぱなしが当たり前になる。体が特に不調を感じなくとも、休むことが大事」と“無理やりの休憩”の重要性を説く。

すでに痛みやこりを感じるときには、軽いストレッチが有効だ。(1)椅子(いす)に座ったまま両手を上方へ伸ばして、体を反らす(目安は5回)(2)立って息を吐きながら両手を広げ、大きく胸を反らす(同10回)−の二つを推奨している。

通常の使用の際にもちょっとした工夫で、予防することができる。キーボードを若干左側にずらして、マウスを中央に近い位置に置く。こうすることで脇を締めるような姿勢になり、手が自然な形になることから、体への負担は減らせるという。

木津院長が強く推すのが、パソコンから離れすぎない位置で作業することだ。「パソコンから遠い位置だと、どうしても猫背になり背骨によくない。マウスを中央の位置で使うこともそうだが、正しい姿勢でパソコンと向き合うことが大事」とアドバイスしている。

http://www.sankei.co.jp/enak/2005/may/kiji/18mousecindrome.html