Bonin Blueに魅せられた小笠原諸島(4)

トモキータ!
http://www.kersol.net/column/list/17/1

Bonin Blueに魅せられた小笠原諸島(4)

父島から母島へは、“ははじま丸”で2時間10分。午前・午後の2便があるが、わたしは父島を朝7時半に出発する午前の便を利用して、午後は早速母島でのダイビングを予定していた。念のため、酔い止め薬を子どもの分量だけ飲んだところ、案の定眠くなってしまい、意識を失っている間に母島に到着した。 “ははじま丸”を降りる際には、タラップの下に海水でぬらしたマットが敷いてあって、靴底の泥を落とすよう促される。外来種の侵入を防ぐためだ。父島で激減している動植物も、母島ではまだ元気に生きている。母島の“島度”の高さを感じる。

内地は台風の影響で雨と聞いていたが、小笠原は相変わらずのよいお天気だった。父島に着いたとき同様、いったん宿に入ってから、1時間ほど後にピックアップしてもらってダイビングに出発した。

母島でダイビングサービスを行っているのはクラブノア母島1軒だけ。母島でのダイビングは全てアンカリングされたポイントで行われ、(必要なら)ロープを使って潜行し、周囲をくるりと泳いで戻ってくる。浮上時は水深5m付近にバーが下ろされるので、そこで安全停止した後、1人ずつはしごに向かう。はしごにつかまるとガイドがフィンを脱がせてくれる、お姫様ダイビング(トゥバタハの時は、フィンを履いたまま船によじ登っていた)。ほとんどがドリフトダイビングの父島より、経験が少なくても安心だ。

ポイントに向かう漁船に乗ったゲストはなんと2人だけ。15分ほどで到着した最初のポイントは、水の色が緑がかっていて透明度が高く、見るからに楽園の佇まい。バックロールでエントリーすると、期待に違わぬ温かさ。小笠原に多いという黒いクマノミも、ようやくゆっくり観察することができた。岩陰で見つけたアオウミガメは、これまで見た中でもずば抜けて大きく、わたしと同じくらいの背丈があるのではないかと思うほどだった。彼女(彼?)はわたしたちの視線を感じると、「邪魔しないでよ」とでも言いたげにのそのそと泳いで行った。お昼寝中だったのに、起こしてしまってごめんなさい。

母島のダイビングは1本1本陸地に戻って休憩するので、船が苦手な人も安心だ。船上だと狭いのでウエットスーツを脱ぐわけにいかないが、ここではさっとシャワーを浴びてウエットをぶら下げておけるのも寛げる理由。ダイビングを始めたばかりの頃ほどではないけれど、今でもウエットを着たままで海の外にいるのは、ちょっと窮屈だと思う。

軽いランチの後、2本目は体験ダイビングの2人と同船。彼らは仕事で母島に滞在しているが、海に潜るのは今日が初めてなのだそう。こんなに温かくて癒される海で体験したら、きっとまた潜りたくなるだろう。わたしも明日、また潜るのが楽しみだ。

今回母島でお世話になった宿は、昨年オープンしたばかり。まだ新しい木の匂いが感じられる、アイランドリーゾト母島南風(ナンプー)。絶海の孤島にあるとは思えない、サービス・設備とも行き届いた宿だった。シャンプー・リンス、ランドリールームにおかれた洗剤などは環境に配慮したもの、寝具も国産の心地よい製品が使われており、特に気に入ったガーゼのケットは内地に戻ってから自宅用に購入してしまった。部屋の鍵は、小さな木の実をつなげて作ったブレスレットについており、部屋を出るときに手首につけておけば、忘れることも、邪魔になることもない。それ自体がかわいいのでどこかで手に入るのかと思ってスタッフに尋ねたところ、ハワイ製のアクセサリーをバラして作ったオリジナルとのことだった。

夕食は、その日手に入った地元の食材を中心に毎晩6〜7品。デザートまで食べると、お腹がはちきれそう。今日は周辺を散策する時間がなかったから、明日はちょっと早起きして近くをお散歩してみよう、と早々に眠りについた。

http://www.kersol.net/contents/500489/50048901