インテル、王者バルサを抑え決勝進出

vclub2010-04-29

FCインテル・ミラノ連覇?

インテル、王者バルサを抑え決勝進出

FCバルセロナ 1-0 FCインテル・ミラノ (2試合合計: 2-3)
イタリア王者は前半にチアゴ・モッタを失ったが、相手の反撃をジェラール・ピケの1点に抑え、1972年以来となる決勝行きの切符を勝ち取った。

頭脳的な守備と一途な決意を見せたFCインテル・ミラノが、UEFAチャンピオンズリーグ史上初の連覇を目指したFCバルセロナを退け、1972年以来の決勝進出(欧州チャンピオンズカップ時代を含む)を果たした。

インテルは試合直前のゴラン・パンデフの戦線離脱、28分の元バルサチアゴ・モッタの退場、84分のジェラール・ピケの得点といった不利な状況に遭遇しながらも、ジョゼ・モウリーニョ監督の戦術が再び冴え渡り、ファイナルへの切符をつかんだ。第1戦を3-1で制していたインテルにとって、そのリードを守りきり、3度目の欧州制覇に王手をかけることが危ぶまれたのは、終盤に1点を奪われたあとだけだった。

スタジアムはキックオフの1時間前から熱を帯び、緊張感が高まっていたものの、かつてバルサでプレーしたサミュエル・エトーが、シャビ・エルナンデスビクトル・バルデスと抱擁をかわす場面も見られた。いざホイッスルが鳴ると、両チームはすぐに激しい戦いを見せたが、インテルはモッタが退場になる前から、システムの変更を余儀なくされていた。ウォームアップ中にパンデフが体調を崩したため、クリスティアン・キブが代わりに出場した。

インテルは9人の選手がボールより自陣側に引き、そこからカウンターを仕掛ける守備的な戦術を採用。一方のバルサは慎重に戦いながら、相手を崩していく戦法をとった。バルサはとにかく攻めれば、相手がインテルであろうと突破口が見つかると考えていたのだろう。事実、ダニエウ・アウベスのクロスに対して、ペドロ・ロドリゲスがモッタとマイコンの前に出てゴールを狙ったが、これは惜しくも枠を外れた。インテルも反撃に出て、ディエゴ・ミリートとベスレイ・スナイデルが見事な連係プレーで、急きょ左SBに入ったセイドゥ・ケイタを窮地に追い詰めると、エトーがフリーになってゴールチャンスをつかんだ。しかしガブリエル・ミリートとペドロが戻って、バルサのピンチを救った。

インテルは28分、すでに警告を受けていたモッタが、セルヒオ・ブスケツの顔面を手で払ったことで一発レッドカードを受けて退場となり、10人での戦いを強いられることに。それでもインテルは再び立て直しに成功したかに見え、別のブラジル人選手がチームの危機を救う。ヤヤ・トゥーレのパスに抜け出した得点王のリオネル・メッシが左足のミドルを放つが、GKジュリオ・セザールが指先で見事なセーブを披露した。

バルサはさらに前半終了間際、ズラタン・イブラヒモビッチがゴールを狙うが、身体を放り出したワルテル・サムエルにシュートをブロックされた。インテルディエゴ・ミリートスナイデルが精力的に動いてプレスをかけ、自身がボールを持ったときは相手を手こずらせた。打開策を見出したいバルサジョゼップ・グアルディオラ監督は、まずはイブラヒモビッチに代えてボジャン・クルキッチを投入し、ピケを上がらせ、センターフォワードのサポート役を担わせた。時間がなくなっていく中、バルサはFWジェフレンも交代でピッチに入るが、人数をかけたインテルの固い守備の前に、いつもの流れるようなパス回しは影を潜め、遠目からシュートを打つことが多くなった。

メッシの左サイドからのクロスがようやくサムエルを抜けてボジャンに渡るが、フリーで放ったヘディングはわずかにポストの外へ。それでもバルサはシャビの絶妙なパスにピケが抜け出し、イバン・コルドバをフェイントでかわしてゴールをこじあけた。だが反撃は遅すぎて、残り時間をしのいだインテルが、FCバイエルン・ミュンヘンと対戦する22日の決勝へと駒を進めた。

http://jp.uefa.com/uefachampionsleague/matches/season=2010/round=2000031/match=2000484/postmatch/report/