Seagate、Maxtorを買収

vclub2005-12-22

Seagate TechnologyはライバルのMaxtorを19億ドルで買収することで合意した。この件に詳しい筋が伝えている。

 これによりHDDの2大メーカーが統合されることになる。Seagateは好不況が循環するHDD事業で、長らく業界再編者の役割を負ってきた。

 情報筋によると、12月21日(米国時間)に発表されるこの合意の下、Seagate株0.37株とMaxtor株1株を交換する。この買収は20日に両社取締役会の承認を受けており、これから両社取締役の承認を得なければならないという。

 この株式交換比率から考えると、Maxtor株の価値は20日終値よりも60%高い1株7.25ドルということになる。20日午後4時の時点で、Maxtor株はニューヨーク証券取引所で前日比1セント安の4.52ドルで取引されていた。Seagate株は4セント高の19.60ドルだった。

 MaxtorSeagateの広報担当者はコメントを控えている。

 HDDはコンピュータでデータを保存するのに使われ、強い需要がある。家電製品への搭載も増えている。しかし競争が激しいため、メーカーは継続的に自社製品の記憶容量を増やすと同時に、価格を引き下げなければならない。

 Maxtorの買収により、Seagateは工場網を拡大して生産量を増やし、工場稼働率を高めて利益率を向上させたい考えだと情報筋は話している。SeagateMaxtorの今の売上高すべてを維持できないかもしれないが、買収から1年後には1株利益を増やせる見込みだ。

 Seagateは以前から最大手のHDDメーカーであり、2005年第2四半期にHDD出荷量の約30%を占めていた(iSuppli調べ)。Maxtorは第1四半期にはシェア16.3%で2位だったが、第2四半期には13.5%に減少した。第2四半期には17.6%のシェアを獲得したWestern Digitalが2位を獲得した。

 市場最大手2社が統合されることになるため、今回の買収は独占禁止当局から厳しい目を向けられるかもしれない。だがこの件に詳しい筋は、統合によりコスト効率などのメリットが消費者にもたらされると両社は主張するだろうと話している。

 1979年に設立されたSeagateは、初の5.25インチHDDを導入した功績を主張している。5.25インチというサイズを実現したことで、HDDをパーソナルコンピュータで実用できるようになった。HDD市場は多数の新興企業を生んだが、そのほとんどは買収されるか廃業している。

 Seagateは、1989年のControl Data Corp.のHDD事業買収や、1996年のConner Peripherals買収など、そうした大型買収の幾つかに関わっていた。

 1982年に設立されたMaxtorも買収を重ねてきた。2001年4月に同社はQuantumのHDD事業を買収、これにより最も生産量の多いメーカーの1社となった。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0512/21/news081.html

SeagateMaxtor買収を正式発表
Seagate Technologyは12月21日、Maxtor株式交換で買収すると発表した。

 既報の通り、Seagate株0.37株とMaxtor株1株を交換する。買収金額は約19億ドル。両社の取締役会はこの買収を承認済みという。

 Seagateは統合から1年後に、1株利益を10〜20%以上拡大し、年間約3億ドルの営業費用を削減する見込みだとしている。

 買収は2006年第2四半期に完了する見通しで、これから両社株主と規制当局の承認を得るという。統合後の企業はSeagateの社名を維持し、Seagate経営陣は現行の職務を続ける。Maxtor会長兼CEOのC・S・パーク氏は統合完了後に取締役となる。買収完了までは、両社は別々の企業として運営される。

 「(両社の統合によって)規模の拡大により全体的な製品コストを引き下げ、より革新的な製品をもっと競争力のある価格で提供できる」とSeagateのCEO、ビル・ワトキンス氏は発表文で述べている。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0512/21/news104.html