これが本当のスマートフォン!

vclub2005-05-07

これが本当のスマートフォンスカイプも出来る「O2 Xda IIs」フォトレビュー

日本ではこの夏にもNTTドコモから「M1000」というスマートフォンが発売される予定だが、このニュースではじめて「スマートフォン」という言葉を聞いた人も多いかもしれない。
しかし、「スマートフォン」と呼ばれる無線LANBLuetoothを搭載し、PDAのように使うことができる携帯電話は、海外では様々な種類がすでに登場し、日本の携帯電話とは違った進化を遂げ、ビジネスマンの間では活用されている。
そこで今回はこのスマートフォンの中でも、スライド式のキーボードを搭載、無線LANBluetoothの両方を内蔵しており、SDIOにも対応したスマートフォン「O2 Xda IIs」をまずは簡単に紹介したいと思う。


パッケージはいわゆる携帯電話とは思えないほどの大きさの箱となっている。これは、いわゆる「スマートフォン」の中でも、上位モデルは「高級なステータス」であり、それを意識させるようなパッケージになっているようだ。
内容物は写真の通りで、マニュアル、CD-ROM、ACアダプタ(海外仕様なので日本でも使えるアダプタが別途)、マイク付きイヤフォン、予備のスタイラス、充電用のアダプタ、革製の専用ケース、USBクレードル、そして本体となっている。


付属のクレードルは本体カラーとマッチするデザインとカラーリングになっており、別途予備バッテリーを購入すれば、背面に装着して単体での充電も可能となっている。


本体のサイズを見てみよう。左にPSP、右にボーダフォンの「702NK」を並べてみた。いわゆる「携帯電話」よりは多少サイズは大きめになっており、PDAクラスの大きさとなっている。サイズは71.6 (W) x 125 (L) x 18.7 (T) mm、重さは210gなので、重さとしては、DELLから発売されているPocket PC「Axim x50v」に拡張バッテリーを装着いた程度の重さとなっていて、幅はやや狭く、縦にほんの少し長い程度の大きさとなっているようだ。こちらの比較写真も後日掲載する。


本体について見ていこう。
カラーリングは黒を基調としており、液晶周囲の黒とボディ側のガンメタ風なカラーリングのツートンカラーとなっている。背面側はブラックだ。
搭載しているOSは「Windows Mobile 2003 2nd Edition for Pocket PC phone edition」となっている。このOSは、海外でスマートフォン用に提供されているOSとなっているが、ほぼPocket PCと同じようなものだと思えば良いだろう。
CPUはIntel Xscale PXA263 400MHzを採用、海外での電話機としての仕様はGSM Quad-band (850/900/1800/1900)となっており、アンテナは内蔵されている。
メモリ容量はROMが96MB、SDRAMが128MBとなっている。


海外でGSMの「電話」として使う場合のソフトウェアが搭載されていることも、いわゆるPocket PCとは違う点だ。このような専用の「Phone」ソフトを利用するようになっている。


なお、初期段階では付属している「O2」の標準のテーマが指定されている。水を基調としたデザインでなかなか美しいが、もちろんPocket PCと同様に、好みのテーマに変更することも可能となっている。


本体表面の下部には4つの機能ボタンと、方向+決定キー、そしてその両側には電話として使う場合の受話と終話用のキーが搭載されている。
方向キーと機能ボタンはメタリックなシルバーで、厚みも適度にあり押しやすい。方向キーは周囲が盛り上がっているので、指がかかりやすく操作しやすいようになっている。
通話と終話キーは、電源を入れているあいだは緑と赤にそれぞれ光るようになっている。バックライトと連動して光るので、液晶のバックライトがオフになると明かりは消える。なお、かなり大きなデザインになっているので、押しやすく感じた。
この写真では見えにくいが、下部にはクレードルやケーブル接続用のコネクタと、リセットボタンがある。


様々な機能ボタンの設定については、設定画面で変更することができるようになっている。好みの利用方法にあわせてのカスタマイズが可能となっている。


本体上部にもアプリケーションボタンが左右に2個搭載されているのだが、この位置にボタンが搭載されているというのも珍しい。
このボタンにはさまれるように中央にあるのがスピーカーとなっている。この位置に搭載されている理由は、この「xdaIIs」は「電話として使う」ことを想定しているため、ここを耳にあてて、通話時に音声が聞けるようになっているからなのである。


「Xda IIs」には、はじめに書いたようにキーボードも搭載されているが、このキーボードは、本体下部の部分をスライドさせると出てくるようになっている。キーボードはPCのような文字配列の、いわゆる「QWERTY」配列とよばれるタイプのものとなっている。
キーボードの中央より右位置に数字キーとして利用できるキーがまとめてあり、電話をかける場合に使いやすいようになっている点は、海外でやはりスマートフォンとして評価の高いPalmOSを搭載した「Treo600」シリーズと似たような設計となっている。


キーの形状だが、スライド部分をあまり厚くしないためにあまりでっぱりのない、シート式のキーボードとなっている。でっぱりがあり、かつクリックしたときにはカチカチと押した感触もきちんとするようになっているので、見た目よりは使いやすいが、好みは分かれるところだろう。指の先または爪の先で押すように使うと押しやすいように感じる。


なお、このキーボードは利用時に青く光るようになっている。暗い場所でもキーボード操作ができるための機能だが、かなり明るいというより、明るすぎるような印象でもある。


このキーボードのLEDは設定画面のキーボードでオフにすることも出来るようになっているので、まぶしすぎるので必要ないという場合には、ここでオフにすれば光らなくなる。


キーボードをスライドして開いたときの背面は、写真のような感じになっていて、きちんとカラーリングもされており、端子なども見えることがなく美しいデザインを損なうことがない。


本体の向かって左サイドには、ボイスレコーダーボタン、ボリュームスイッチ、カメラボタン、赤外線ポートが搭載されている。


本体上部には、中央にSDIOカードスロットが搭載されており、その他に電源ボタンとスタイラススロット、そしてイヤフォンジャックが搭載されている。このイヤフォンジャックを使ってマイク付きイヤフォンを装着し、そちらで通話することも可能となっている。


本体背面にはカメラが搭載されている。このカメラは動画と静止画の両方が撮影可能となっている。撮影可能な形式だが、静止画はJPG, BMP、動画はMoption-JPEG(.avi),MPEG4(.mp4),3GPP-H.263(.3gp)となっている。


カメラはボタンからの起動と、画面上のアプリケーションをタップしての起動の両方に対応している。カメラアプリケーションは画像のようになっており、撮影から撮影後の画像の処理、メールへの添付など、様々な機能が搭載されている。


本体を手に持つと、だいたいこのようなくらいのサイズとなる。閉じたままでも利用でき、キーボードを開いて利用することも可能となっている。


キーボード部分を手にもった状態でアップで見るとこのような感じとなる。実際には、両手で持ちながら両親指で入力するのが最も安定した利用方法となる。


キーボードを使って入力する場合だけでなく、閲覧機能についても考慮されているのが画面を回転できるローテート機能である。ボタンひとつで回転できるようになっているのだが、テキストの閲覧や、WEBサイトの閲覧時、またはExcelのファイルを閲覧する場合などには大変重宝する機能となっている。


「Xda IIs」は日本国内では利用できない通信方式であるGSM方式を採用している。しかし、日本国内でも通信機能を利用することはできる。その方法は、内蔵されている無線LAN機能、またはBluetooth機能を利用する方法である。SDIOスロットも搭載されているが、現状確認ができないため、後日こちらについては追加レポートする。


無線LANBluetoothに関しては、管理する専用ユーティリティソフトが搭載されており、設定などが簡単にできるようになっている。


無線LANで接続し、無料で利用可能なIP電話ソフト「skypeスカイプ)」のPocket PC用のものをダウンロード、インストール後に起動し、普段PCで利用しているアカウントでログインすれば、無線LANで利用可能な「skype携帯」のように使うことも可能である。このあたりについては詳細レポートを掲載する予定だが、そもそもスマートフォンとして「携帯」として設計されているため、マイクとスピーカーの性能が良く、音声もとてもクリアなのが印象的である。他のPocket PCの場合、そのまま耳にあてて利用するのは厳しい機種が多く、別途Bluetoothを利用したハンズフリーヘッドセットなどを利用している人が多いようだが、そのような必要もなく手軽に利用することができる。


なお、同機種については英語版をレビューでは利用し、日本語化を行っている。Pocket PCの日本語化については、ユーザー有志の手により、いくつかの方法がすでにWEB上に公開されているのでそちらを参考にしてもらえれば、ほぼ日本で発売されているPocket PCと同じように利用することが可能だ。日本から海外への出張が多いビジネスマンの場合、国内では無線LANなどを利用し、海外に出張した段階でSIMカードを装着して「スマートフォン」として利用してもいいだろう。

■O2 Xda IIs 製品情報(英語)
http://www.my-xda.com/xda2s.html

■O2(英語)
http://www.o2.co.uk/